ゆゆ式 3話

 今回は細かな改変が多めで、その改変部分がすごく馴染んでるなー、という印象で。
 展開の先後を置換したり台詞や仕草を場合によって増やしたり減らしたり、その過程で原作の台詞やカットを逸脱することが、むしろ忠実に再現していた前2話よりもゆゆ式らしさを宿す理由になっている、という感じ。勿論、何をゆゆ式だと思っているか、という話でしかないのだろうけれど。そういう意味で、とても馴染む。
 
 きっかけがないと帰れないネタを長く改変、直後に原作にはなかったカット(電話先のゆずこさんと縁さん)を挿入して終えたのが超すばらで。缶ジュースをキャッチボールしながら走る二人の映像は、正にあの瞬間、在り得た世界を描いていたように思う。台詞や展開の追加・変更は他にも沢山あって、そこで原作を覚えていても殆ど違和感を覚えずに観られたこと―――むしろ原作通りの台詞や展開を突っ込んだら無理が出るだろうなと思わされたことは、正しくアニメ向きに翻訳されているな、という所感を抱かせる。いや重ね重ね好みの問題なのだが。
 あとまあ、緩急がついててすごくよいです。あまりリアルタイムに時間を流そうとすると無理が出るはずなので(おそらく時間の離散性に大きく頼っている―――ここらへん正直あんまり言語化できてないんですが)、細かいカットを離散的に繋ぎつつ、局所的に滑らかで稠密な時間を描くことは、大変正しいように思われます。