ストライクウィッチーズ2(全話)

 もっさんの突き抜けた強さを好んでいた向きには、終盤の展開は過酷なものに感じられたものと思う。僕は若干の辛さを覚えた。
 ただまあ、物語とキャラクタを切り離して嗜好するというのもフェアな態度には思えないし、単に無いものねだりをしているような感触もある。二期の彼女に寄り添って考えること。いや烈風斬はねえよという感じだけれども。
 
 坂本美緒によって見出された宮藤芳佳というウィッチがその強さと覚悟を受け継ぎ、そして還す物語。
 二期が始まっても宮藤芳佳を含む三人は変わらずひよっ子扱いで、のみならず箒を遣った基礎訓練の描写などは一期よりも更に新米の訓練といった印象を強調する絵面ですらあった。一期終盤のウォーロックとの戦いにおける英雄的な振る舞いにも関らず(作中では不名誉除隊らしいがそうではなく、視聴者に与える印象として)、初期の如くに描写がリセットされたことは、二期全体を貫く坂本/宮藤という上官と教え子の関係を改めて提示・理解させる狙いがあったのではないかと、観終わった今になって思う。戦いを経てフラットに皆が強くなったのではなく、新米は新米として相対的に弱い位置に置き直すことで、後に提示される見上げる者と生き急ぐ者との関係性への布石としたのでは、と。穿ちすぎな気もするけれど。
 「ウィッチに不可能はない」という、おそらく何気なく発せられた言葉が不思議な強度を持ち、ラストシーンを導く展開。坂本少佐の発したこの言葉は、ある時は宮藤芳佳の中に生まれた憧憬の象徴として、ある時は錯乱した坂本少佐の縋る藁として、そして最後には宮藤芳佳の覚悟を坂本少佐へと伝える一押しとして、違った色合いを以って機能する。同じ言葉は意味を変えながら継がれ、放った者へと還り、解放の鍵となる。
 皆を護りたい、という言葉が何度も終盤の坂本少佐の口から出てきたことも、二人の物語という印象を強めた。いざ終わりが見えてくるまでは口にする必要のなかった信念。在るべき姿を体現する為に生きることこそが強度の証だったとするなら、一期の彼女がそのような言葉をあまり遣わなかったことは極めて自然だ。なんとなれば、全盛期の坂本美緒は息を吸うように人々を護っていたに違いない。だからこそ、そう在れないことを自覚した時、そう在りたいと初めて願う。
 
 個別エピソードの記憶はだいぶ怪しいんだけど、エイラーニャ回はもうずるいなーとしか。少女が頭こつんって骨伝導で密談で二人であそこまで行っちゃおうか。殺す気かと。多段ロケットの外連味もよかった。
 シャーゲル回はすごくいいと思った。もともとシャーリーさんすごい好きなのでウッヒョーイケメンやーといった感じで。おねーちゃんはちょっと暴走してるくらいが一番かわいい。最近じゃがいもよく食べてるのはカールスラント軍人たるものじゃがいも食おうぜ的なアレ。多分。
 EMT。かわいい。ハンナさんは貧乏籤引かされた感じがすごいので単独作品で活躍するところを見たい、かな。どうにもストライクウィッチーズに馴染まないパーソナリティって印象は拭えないし。
 ルッキーニちゃん。泣いてる時の強度がヤバすぎてあっあっアカンこれ持ってかれるわーとなるので斎藤千和こわいなーって。
 リーネちゃんのおっぱい。
 ペリーヌさんは家宝のレイピアを抱いて苦悩する図が超絶美しかったので普段あんまり美しくない理由を考えるといい感じに美しいペリーヌさんを錬成できそうで建設的だと思う。
 ミーナ隊長のおっぱい。
 坂本少佐。くそばばあ落書きの時点でおや? と思わせる感じはあったし、そういう細かい描写を介して新しい坂本少佐像にソフトランディングさせようとしてくれた感覚はある、のだが烈風斬で色々台無しである。いろんな意味で烈風斬強すぎ。
 宮藤芳佳尊い