リトルバスターズ! 7話

 目隠しごっこ、一人キャッチボール、畳み掛けるような発話と噛み合わない応酬。葉留佳さんの葉留佳さん性が所作に表れているのがいいなー。そういう遡及的に理解されるだろう要素に満ちた話を保存不可のストリーミングでやるの止めてくれよ、という気もするけれど(円盤買えって話ですね)。
 
 要点。自販機のシーンで、風紀委員が明確に敵として―――それも対立する正義ではなく、はっきりと誤った者たちとして描かれているのが割と重要な予感。
 この部分、たとえば原作だと

【風紀委員1】「信じられません」
【理樹】「どうして?」
【風紀委員1】「いい加減なことばかり普段言ってるからです。このひとは」
一年生の風紀委員は頑なだった。
どうしたものだろうか?
【理樹】「…でも、自動販売機はどっか壊れてるわけじゃないみたいだ」
【理樹】「機械を叩いたりしたら、跡が残ってもいいんじゃない?」
【風紀委員1】「…それは、そうですけど」
自動販売機にはそれらしい傷もない。
ということは、まさに『ラッキー』だっただけだ。
【風紀委員2】「でもしてないという証拠もない」
【葉留佳】「あったま、カタイなぁ」

 という感じで、悪魔の証明を要求する辺りアレではあるものの、まあそれなりに常識的な対応の範疇だったのが、アニメ版だと

【風紀委員おさげ】「この子はサボリと遅刻の常習犯なのよ? 嘘ついてるに決まってるじゃない!」
【風紀委員ロング】「万が一当たったとしたって、そもそも自動販売機に当たりを出すのは、ちゃんとお金を出してる人に対して不公平だからやめるべきなのよ」
【風紀委員栗毛】 「そうよ! お金も払わないで、こんないい加減な子が手に入れるなんて許せないわ!」

 この通り、実に香ばしい感じに改変されている。流石にこれを中立の自治組織の振る舞いとして描いてはいないだろうので、じゃあ何でこうしたのか、となるわけだけれど……うーん。敵の用意が重要になってくる、とか? 1話冒頭の最も重要な違和感―――モブキャラたちのリトルバスターズ「自体」への好感の描写、とか関係してくる?
 つまりその、原作においてリトルバスターズそのものが一目置かれている描写って実はほぼなくて(カリスマ描写は恭介と謙吾のみ)、設定としておそらく一目置かれているんだろうなあと想像するしかなかったところが、アニメにおいてはバトルシーンで各人への黄色い声援を実際に描かなければならないことにより、「無関心という暴力を振るってくるモブたち」という葉留佳さんルート後半で機能する構図が用意できないので、その代替として……何らかの敵が要請された場合のために存在するんじゃないかなー、とかそういう。……すごい悪文だ。
 
 葉留佳さん応援シーンに真人小毬さん鈴の三人が配置されたことも多分重要なんだけど、どう考えておくべきなのかなー。
 全体として「リトルバスターズであること」「一人ではないこと」が重要視されている、というのはたぶん鉄板なのだけれども。じゃあ、何のために?