ビビッドレッド・オペレーション 最終話

 囚われたれいを助けるため、あかねは3人との友情を武器にして、代弁者を打ち倒す。その様を見せることで試験に合格、れいの世界は取り戻されるのだった。
 ……筋だけ拾うと納得できる作りなのだけれど、その見せ方が絶望的に無惨だった、という感想。 
 9話までのビビオペはこの逆を行っていて、筋はとんでもなく蛇行しているのだけれど、シーンごとにやたら丁寧に感情を拾っているお陰で、物語の流れを追うこととは全く別の快楽がある。あとはセリフ回しの奇妙さなんかも固有の魅力と称していい、はず。
 僕含め、どうせまともな地点には着地しないだろう、と思っていた人間は多かったものと思う。設定の開陳が遅すぎるし、最小限の伏線だけ拾うにしたって尺が足りないことは目に見えていた。それでも、強度の高いあかねちゃんが、ひたすら優しいあおいちゃんが、ひねているようで一番純粋なひまわりちゃんが、思った以上にめんどくさいわかばちゃんが、そのままでいてくれればよかった。投げっ放しエンドでも超展開でも、きっと彼女たちの物語の終わりを見届けようと、そう思っていた。
 ―――そのままでいてくれなかったのでこうして愚痴っているゥー!(カブトボーガー顔で)
 
 単なる愚痴なので、たぶん読み返した時に自分で厭な気分になるのだろう、などと思いつつ。
 後出しで「こうすればよかった」などと作劇の話をするのって相当精度の高い言及が可能な人でなければ卑怯かつ空疎なものになりがちで、精度低い人間なのであんまり気が乗らないんだけど、とりあえずキャラを展開のために殺す方向の処理は完全に間違っていたよなー、とは。キャラクターの魅力を表現するという一点について優れていた物語が、その終焉において、キャラクターに変質を要求してしまった。
 そんな無惨な構図、最後の最後に喪われたものについて、哀惜を覚える。