戦姫絶唱シンフォギア(キャラについて)


・立花響
 悠木碧マジパネェッスワァ……と震えながら焼き土下座する感じになります。僕の中で斎藤千和枠に入った。叫び声や泣き声の異様な迫力はもちろん、照れて変なこと言ってる時の変な声こそが超すばら。
 迷わない馬鹿でもなく、迷ってばかりの雛鳥でもない。シンフォギアは程度の差はあれ皆そんな感じだが、現在の在り方を保ち動き続けることと、そこに疑問を持つこととは矛盾しない、という思想の体現。足を止めず、未来を向くために過去を見据える。ワイルドアームズにおいて「思い出」という言葉が妙に強調されることと符合する、かも。
 英雄ではないからこそ、かっこいい。砕けた月の迎撃シーン、最初は逆シャアのオマージュかと思った(超貧困)し、これは捨て身特攻フラグなのでは? とも思ったんだけど、よくよく考えると金子彰史氏がそんな展開を書く訳がなかったのだ。だって、英雄は「いらない」のだから。誰かに犠牲を押し付けた平和なんて、望まない。英雄のごとく活躍する戦士は、その実、ただ守りたかった日常に帰るために戦っている。彼の描くかっこ良さはそういうものだったし、これからもそういうものであり続けるだろう。おねーさんだってエッチなこととか考えるらしいし。
 戦闘スタイル。八極拳パイルバンカーとか超かっこいいので全肯定するほかありません。しかもジェット噴射もできる。完璧。
 
・小日向未来
 きれいなマリナさん。いや実際、マリナさんのリファインと言われてもすんなり納得できる感じではある。待つだけのヒロインから、自分の戦場で戦うヒロインへ。
 日常と戦場(やはりイクサバと読みたい)が地理的にも状況的にも重なりあう本作において、響が護りたい日常の象徴として在りつつ、一方では戦場の響に力を与え、またクリスに巡り巡って救いを与える立ち位置にもいるキャラクター。護られる方だって一生懸命なんだ、という響の悟りを体現する女の子。こんなに可愛く見えるとは1話の時点では全く思ってませんでした。シンフォギアのキャラは(響除いて)皆そうなんだけど。思い入れ育みアニメだなあ。
 響を咎める時の理由が「嘘をついたから」だけだったのが、こう、誠実さを伺わせてとても良かったとかなんとか。咎められた響もまた、一切の正当化をせず、嘘をついたことを悔いていたのがまた。
 
・風鳴翼
 ―――剣だ!
 かっこよくも頑ななキャラなのかなー、と思ってたところにまさかのカポエラ殺法。そして異様に格好いい技名。考え事をするためだけに道場めいた場所で蝋燭を灯しちゃったりするセンス。極まった言葉選び。フェイトそんも大概天然として読み込まれがちではあったけど、翼さんは段違いにヤバい。本当に自分の世界で生きてるんだなーという感じがする。
 彼女の成長譚としての側面も強い作品だったなー、と。奏の強さを受け取り/彼女の観ていた世界を理解できた翼さんが、奏に生かされた響を抱き留めるあのシーンは、本編ベストクラスの極まった構図だったんじゃないかなあ。強さのバトンタッチ。そして彼女は喪った筈の両翼をはためかせ、空を飛ぶのだ。
 下手すれば中二病的に読み込まれそうな彼女の言動が、実際にはそういう色を帯びていないのは、ひとえに自意識が全く過剰ではないから、という理由で説明できましょう。こう言えば格好いい、ここでこう言うのが風鳴翼だ、というメタな自己認識の感じられない、どこまでも自然体な在り方。
 
 
 長くなりそうなので更に続く。